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夕焼けと星空のスキマ #040
最初から読む

 あれ、でも・・・そしたらゆうべの電話はなんだったんだろう?

 テレビのニュースをぼんやり観てるママの顔、確かに泣いた後っぽくなってるんだけど。


 あたし、夢見てたのかなぁ?それとも泣き落としでパパが根負けしたとか?



 ママがあたしの視線に気付いた。

「何よ、さっきからじろじろ見て」

「いや・・・なんか、大盤振る舞い?みたいな」

「・・・皮肉?」

 ママは笑いながらコーヒーのお代わりに立つ。


「そーゆーんじゃないけど、なんか、久し振りだから」

 よくわかんないけど素直に喜べない。

 嬉しいはずなのに居心地悪い感じがする。

「たまには親らしいこともさせてあげたいじゃない」

 こぽこぽこぽ・・・と軽い音と湯気を立てながら、ママはコーヒーを注ぐ。

「あぁ・・・パパにね」

 あたしのつぶやきはママには聞こえなかったかも。

 でもそっちじゃなくて、ママのことなんだけどなぁ・・・



 登校すると、なんだか教室の空気がざわついてる感じだった。

 騒がしいのとは違って、むしろいつもより静かも知れないんだけど・・・

 そこら中でひそひそ話してるみたいな。

 あたしは前の席のユカコの制服をちょんちょんとつついて話し掛けた。


「ユカコぉ、なんかみんないつもと違くない?何かあった?」

 クラスの中では1、2位を争う情報通のユカコなら何か知ってるんじゃないかと思う。


「あ、うん。なんかねぇ、誰か家出したんだって。んで、先生たち緊急で職員会議になってるっぽい」

テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

【 2009/05/29 14:59 】

湖夏 | コメント(2) | トラックバック(0) |
夕焼けと星空のスキマ #039
最初から読む

 ママはちょっと顔をしかめながら笑った。

「そんなしょっちゅう失敗しないわよ」


 こないだ、2人してこげこげのベーコンエッグを食べたのを思い出したのかも。



「そういえば、ゆうべ言ってた話なんだけどさぁ・・・」

 こんがり焼けたトーストにマーガリンを塗りながらママが切り出す。

「うん・・・なに?」

 受け取ったトーストをかじりながら身構えた。『やっぱ駄目かも』って言われるのかな。


「どうせならどっか一泊したら?日帰りじゃそんなに遊べないでしょ」

「・・・は?」

 意外過ぎて気が抜けたあたしは、ぽかんとした顔でママを見る。

「え?やなの?」

「ううん、全然ヤじゃない。ってかでもママ、お金大丈夫?」


 ママは笑いながら、自分のトーストにマーガリンを塗り始める。

「そんなの、ママとパパで折半すれば平気でしょ?」

「セッパンってなに?」

 なんか、昔のアニメでそんな掛け声があったような、とか思いながら訊く。

「半分こするってこと。あんたその位常識よ?ちゃんと国語も勉強してよねぇ」

 ママは呆れ顔で答える。

 しまった。ヤブヘビだったかも。あたしは笑って誤魔化した。



 あれ、でも・・・そしたらゆうべの電話はなんだったんだろう?

 テレビのニュースをぼんやり観てるママの顔、確かに泣いた後っぽくなってるんだけど。


 あたし、夢見てたのかなぁ?それとも泣き落としでパパが根負けしたとか?

テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

【 2009/05/27 15:02 】

湖夏 | コメント(0) | トラックバック(0) |
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